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発行:(株)産業技術サービスセンター
光応用技術・材料事典


 刊行の主旨 
  光応用技術については既に18世紀の終わり,英国のT.Wedgewood(陶磁器会社設立者の息子) が現在の写真フイルムの源流である硝酸銀の感光性を見出して研究を行っていた。有機化合物に よる光反応性樹脂は1827年にフランス人,J.N.Niepceがビチューメンの感光性を用いた写真記録材 料である“ヘリオグラフィー”を開発したことに始まる。同じ頃,ゼラチンに重クロム酸塩を少量混ぜる と水で現像可能な画像記録材料が開発された。これはフォトレジストとして現在も一部の分野で使用 されている。
 このように,光反応性樹脂の歴史は極めて古いが,1950年代にトランジスターが発明 されたことをきっかけに,E. Kodak社から光を用いた精密加工材料の「フォトレジスト」が発表市販され, 光反応性樹脂を用いる光応用技術が急速に発展し,新しいテクノロジー分野が構築された。それぞれ の分野で感光性樹脂,光硬化樹脂,フォトポリマー,フォトレジストなど色々な呼び方がある。
 光反応性樹脂は基礎である光化学反応,機能,物性などの面で高度な機能性材料として幅広い 技術に応用されその発展に寄与してきた。エレクトロニクスではプリント回路及び実装,各種ディスプレイ,半導体製造に代表されるナノテクノロジー,印刷工業においてはオフセットPS版,樹脂凸版, デジタル製版材料をはじめUV,EBインキ,また,コーティング分野へと多大な貢献を果たしている。さらに,近年その使途は医用,バイオ分野と日々広範な広がりを見せると同時に,材料に対する要求も多様化と細分化を極め,オーダーメード的材料としての様相を益々強めている。従って,光反応材料を扱い,スペック調整などが必要な際その指針を見出す困難にしばしば遭遇する。
 光応用技術,材料に関してこれまでに多くの優れた成書が出版されている。しかし,年々多様化しつつある光応用技術,材料,プロセス,スペックの全貌を把握することは殆ど不可能に近くなりつつある。本書では光反応材料を利用する側,および材料開発を行う立場の方々の座右にあって基礎,応用,プロセスを含め,適した材料を探索し,使い方に関する最新情報を得たい場合に,事典的に利用して頂けることを目標として編集を試みた。編集委員会で1年以上に亘り構成案を練り,内容の充実を図るために各分野で深い見識をお持ちのご専門家に執筆をご担当いただいた。
 本書のもっとも大きな特色は,光硬化性樹脂の素材である光反応性モノマー,プレポリマー,光重合開始剤,感光材料などを系統的に収集整理したデータをCD版で加えたことである。これらの素材は膨大な種類があり,かつ,新しい物質が開発されている。新しい材料を検索し材料の改良などを行う際に間違いなく有力なツールになると思われる。是非,ご利用頂ければ幸いである。  本書発行に際し,ご本務でご多忙にも関らずご執筆をお引き受け下さった著者の皆様,また膨大な数の原稿の収集,編集にご尽力下さった且Y業技術サービスセンターのスタッフの皆様に感謝し本書が多くの皆様のお役に立つことを期待する。
                                                   編集委員長 山 岡 亞 夫
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